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競売物件に関心を持った理由

 理由は何といっても価格。
一般の物件の価格よりも、30%以上も安い価格で、土地を購入することができる可能性があると言われています。
私たちの・・・というか誰しもが思う、「安くて広い土地が欲しい」という希望を、手っ取り早く解決してくれる土地探しは、競売以外ないと考えても良いと思います。

 あとは、たまたま競売物件について詳しい知人がいたということ。
実際に競売物件を閲覧したり、ましてや落札しようと思うとなるとそれなりの知識が必要です。
ネットや裁判所で自分でも情報を得ることができるけれど、やっぱり経験者や助言をしてくれる人がいないと踏み入れないものです。

 後でも述べますが、競売物件のリスクは非常に高いです。それを知れた、教えてもらえたということは競売物件に関心った一番の理由だと思います。

競売物件
簡単に言うと、一般的に金融機関からローンを組んで不動産を取得した人が、何らかの理由で返済できなくなり、取得した不動産を担保に金融機関が裁判所を通して差し押さえられた不動産のこと。

競売物件の情報収集

@裁判所で誰でも閲覧できるようになっています。

 探している地域の裁判所に直接出向き、自分で情報を収集する。

A不動産総合情報のアットホームが官公庁等より依頼を受け、一般競争入札物件情報をはじめ様々な不動産情報を提供してくれています。

 「競売・公売情報」から全国の物件を閲覧することができます。サイトで最低限の情報を収集できる一番簡単な手段だと思います。

B東芝ソリューション株式会社が運営している、不動産競売物件情報サイト BITというサイトがあります。

 閲覧できる期間が限定されていますが、物件情報を詳しく知ることができます。

素人が競売物件で不動産を探す危険性

 私自身が素人なので偉そうに言えれる立場ではないのですが、競売物件のメリットはほぼ価格のみ。
不動産の価格から仲介手数料などの諸費用を含め、一般の不動産物件からの購入よりもはるかに安く購入できます。

 そういういわゆる「おいしい話」には必ずデメリットがつきものです。
むしろデメリットの方が大きく、最大限の注意が必要なです。

デメリットとして

基本的に占有者がいる場合、一般の不動産物件のように内部を見ることができない。
閲覧できるだけの情報しか知ることができないというのは、かなり危険が伴うとことになると思います。
住宅はもちろん土地に関しても実際その場所に出向き、中からその物件を見ることはとても大切なことです。
一般の不動産会社から探す物件に関しては、住宅はもちろん土地も中に入って見ることができるので、その点に大きな違いがあります。

明け渡し・立ち退きトラブル
競売にかかり、落札された物件でも、占有者がいることはめずらしくありません。
その対処の仕方に大きなトラブルを招く危険性があります。競売物件を購入するに当たり一番のデメリットと言ってもいい思います。

建てられない土地
建物を建てるためには、さまざまな法律や基準をクリアしなければならなりません。
時代の流れとともにさまざまな法律や基準が改正・変更されています。その中で当時は宅地として使うことできていた場所でも、今は住宅を建てられない土地になっているということがあります。
またそういう土地でも、申請などをして(かなり大変な手続きらしいです。)宅地とすることが出来ます。そうなった場合上下水やガスなどの有無・土地に面する道路の幅の問題などでさまざまな諸費用がかかってくることがあります。知識を必要とします。

競売物件体験談 実際にトライした物件

@物件はネットで探しました。

 自分の探している市の隣になってしまうのですが、旦那が100坪ほどで売却基準価格850万、最低買受可能価格680万というありえない価格の物件に目を付けました。

A現地に行って来ました。

 住宅が建っていて、人がまだ住んでいる模様。倉庫や畑などもある。どこが入り口か分からないくらい生い茂って草が生えていた。

(問題)土地に接する道路が狭いので、セットバック※の必要性が考えられる。

B裁判所に行き、書面で確認できる情報を収集して来ました。

(問題1) 市街化調整区域※だということ。

すでに、市街化調整区域であるということはネット上で確認していましたが、既存宅地のはずだから建物の建替えはできるはずだと、調査済みでした。

しかし、そんな単純な物ではありませんでした。
登記してある地目が100坪のうち「宅地」で登記してある部分と、「田」で登記してある部分があることが分かりました。
また、登記せずに建てたと思われる、増設した倉庫や家があったのもかなりの問題になるのではないかと推測出来ました。

例えば、将来的に100坪の土地の中に息子の家を建てようと思った時、市街化調整区域の中の「田」という地目の場所には建物が建てられない可能性があるということになります。
落札できた場合、100坪は大きすぎるので、将来的にこのような考えを持っていた私たちには事前に確認しておく必要があります。

(問題2) 「西側幅員約3m〜3.8m、舗装町道に接面する」という記載があった。

現地に見に行った時の思ったとおりで、やはりセットバックが必要だと考えられる。
何百万もかかるものではないが、家を建てるために必要だと思っている土地や住宅や家具などといった以外にも、出費があるというのは、大きな負担になることがあります。
予め予算を出す必要があります。

(問題3) 強制競売事件(ヌ)※という部類の物件だということがわかった。

 今まで興味を持ってきた物件はほとんどが不動産競売事件(ケ)※だったので何か特別なものなのかと考えました。
自宅に帰りネットで調べてみました。なんとなく理解が出来、不動産競売事件より強制競売事件の方が少し手続きが面倒だということ以外、物件購入に際しては気にしなくて良いということが分かりました。

C登記簿謄本を取る。((問題1)について調べる。)

 気になる問題点がなかったとしても、入札してみようと思う前に、必ずすべきことが、その物件の登記簿謄本による土地の確認をしておくということ。

落札出来、いざ建物を建てようと思った時、何か問題が出ないよう最終確認のため、建物が建てられるか一番信頼のできる登記簿謄本を取りにいくことが大切です。

 自分の住んでいる市ではなかったので、隣町まで行き、1000円払って登記簿謄本を取り寄せました。
裁判所で閲覧した通りの情報でした。
 果たして地目「田」の所にも家が建つのか、市役所の方に尋ね、連絡をもらうことにしました。

数日後電話にて、建てられる土地ではあるという判断を頂きました。
入札することに決めました。

D入札価格を決める。

オークション方式で落札者が決まるので、運があれば買受可能価格で入札できるかもしれないと思います。

しかし、旦那も私も今回の物件にかなり興味を持ち、落札を願っていたので、少し上げて750万で入札価格を設定した。売却基準価格よりは少ないけれど。

E住民票と書類を揃える。銀行に保証金を振り込む(手数料はもちろん自分持ち)。

保証金は物件ごとに決まっていて、この物件は170万でした。

F期限最終日、知人に付き添われ裁判所に行く。

書類を入れる箱がおいてある部屋に行く。
その部屋には何人かの役所の方がいたけれど、特に何も会話をすることなく、こちらを見られることもなく、沈黙の中、その小さな箱の中に「落札しますように・・・」と思いを込めて入れました。

結果は・・・落札できませんでした。
870万ほどの価格を付けた方に落札しました。自分たちも付けられない価格ではなかったけれど、これが運だと潔く諦めました。

G10日ほど経ち振り込んだ保証金が戻ってきました。

売却基準価格・・・その物件の評価格。

買受可能価格・・・入札に至って設定できる最低価格。売却基準価格の80%となっています。

セットバック・・・建築基準法により、土地に接する道路の幅員が4m満たない時に、道路の中心から2m後退して建物を建築することをいう。下がった部分は道路として、建築物を建築できないのみでなく、門や塀や擁壁、花壇さえも建築することはできない。

市街化調整区域・・・都市計画区域の中で、市街化を抑制する意味を持った区域。山林地帯や農地などが中心で、人口及び産業の都市への急激な集中による無秩序、無計画な発展を防止しようとする役割を持つ。
よってある例外が除いては基本的にこの地域には住宅を建てることができないことになる。
当時の規定では、既存宅地制度の特例で昭和45年以前に宅地だった場所の建替えができるとなっていた。

不動産競売事件(ケ)・・・不動産に設定された担保権(主に抵当権)を実行するための手続き。

強制競売事件(ヌ)・・・判決や裁判所での和解又は調停で決まった内容を実現したり、公証人が作成した公正証書の内容を実現するための手続き。

競売物件体験談 トライしかけた物件

 土地探しを始めたばかりの頃。
右も左も分からない頃に、競売物件に良い土地(=安い土地)があるという情報が入りました。
たったそれだけで飛びついた私たち、今思えばなんてチャレンジャーな、というか恐ろしい行動です。

なにやら特別売却※というものでかなり安い価格。200坪ほどあって、坪単価にすると3万円くらい・・・ありえない。

 その土地には既存の住宅があり、まだ人が住んでいるらしい。
特別売却になった物件は入札した早い方に購入権があるのでまずは、入札手続きをするため裁判所に行きました。
全ての手続きが終わり、後は金融機関に振込みに行こうとする寸前に裁判所の方に呼び止められた。

「物件Aにはまだ人が住んでいるのはご存知ですよね。」
「物件Aに住んでいる方の立ち退き※には困難が生じる可能性があります。」(いろいろな方がみえます。詳しくは書かずにおきます・・・。)

 競売物件は、一般の不動産会社から土地を購入するのとは違い、全て自分だけで処理をしなくてはいけません。
占有者がいる場合、建物の明渡しのための交渉も、もちろん自分で行わなくてはいけません。あらゆる最悪の事態を想定しその場で即、取り消しの手続をしました。

 もしからしたら何のトラブルも起こらず、安い土地が購入できたのかもしれません。
しかし、もしかしたら立ち退いてもらえないかもしれない。立ち退き費用が多額に発生するかもしれない。その他の嫌がらせを受けるかもしれない。
いずれにせよ、私たちにはリスクが高すぎると考えました。一生住むであろう土地の選択には大きすぎる賭けだと思います。
一つでも不安要素がある限り土地購入はできないと痛感しました。

※特別売却・・・期間入札により売却を実施しても、適法な買受けの申出がなかった場合に実施される売却方法。所定期間内に最初に買受けの申出をした人に対し、その物件を売却することになります。特別売却になった物件は簡単に言えば早い者勝ちでその物件を購入することができる。

※立ち退き・・・居者から建物の明渡しを受けるための交渉が必要となります。占有者が退去に応じない場合は、強制執行手続きも用意されています。しかし、その分の費用も自分が負担することになります。

興味を持った物件

 @ 特別売却になり150坪で191万ほどの物件。

 裁判所に行き、物件書類を調べると、
「南端部は高圧線(東海幹線、154KV、関西電力)に係る規制下にあると推定する。」
という記述があった。
テレビやパソコンの機器類への影響が考えられるので却下。

A 特別売却になり200坪で1,080万ほどの物件。

 西側が線路、東側が道路。その道路の反対側は森のような小さな山がある。
電車は1時間に1本というくらいほとんど使われていないのだが、森のような山が気になる。夏場は涼しいかもしれないが、冬場はきっと寒すぎるだろう。また日照に関しても山により太陽の光が遮られると考えられる。

朝、昼、夜と足を運び現地に見に行ったが、やっぱり不安要素は消えないので却下。

B 80坪で600万ほどの物件。

 まずは現地に行く。倉庫のみが建っていた。
裁判所で閲覧できる書類で「占有権」という記載が気になった他は、特に何も問題ないと思われた物件。
 念のため、1000円払って登記簿謄本を取りに行き、知人のアドバイスをもらうことにした。
「占有権の問題がある」と言われる。・・・やっぱり・・・。
競売にかけられた土地の所有者以外の方がその土地を長期にわたり使用している場合、その使用者を保護することから占有権という権利が発生する。
倉庫を使用する方に占有権があるということになり、土地を購入しても倉庫が壊せないので却下。

今思う競売物件

 体験談以外の物件も合わせると、100件近い数の物件を、ネットで調べたり、裁判所に言ったり、現地に行ったりしました。
今同じことが出来るかと言われると、即答で「できない」と答えます。
 それくらい当初抱いていた土地探しのイメージとは、かけ離れたものでした。一般の不動産会社からの土地探しも同時に進めていたので大変さは言うまでもなく、金銭的な面よりも、精神的・肉体的疲労が大きかったなぁというのが率直の感想です。

結果的に、「競売物件は難しい・・・」と痛感した頃、一般の不動産会社から良い物件を見つけ、今までのは何だったのかというくらい、あれよあれよという間に購入にまで至った。
きっとこの頃の私と旦那は同じ思いでいたのだと思う。

 一年以上にも亘る私たちの競売物件探しは幕を下ろしました。
何度も言いますが、素人にとって安易なことではないということ。
二度ほど競売物件にトライした経験がある私たちでも、競売に対して全ての知識があったかというと、そうではないと思います。
 競売にかかった一つ一つの物件にはさまざまな問題があり、いろいろな経緯があり、さまざまな人間模様があります。
しかし、落札する前はそういった全てを知ることは出来ません。
なのに実際に競売物件を落札した人は、そのいろいろな経緯やさまざまな人という現状を少なからず知ることになります。
落札した不動産だけではなく、周りの環境にもなじんでいかなくてはいけないことになるのです。落札した後の事柄にも動じない精神面が一番重要なのかもしれません。

 また、通常売りに出ない地域の土地が競売にかかることもあります。
一般の不動産から物件を買うために必要な知識だけでは、到底太刀打ちできない壁が必ずあります。建築基準法などの専門的な知識も必要になります。

 土地探しというのは、その土地で一生を終えるだろうという自分の人生にとっての大きな舞台探しだと思います。
そんな大きな探し物をするのに、更にそれ以外の予想外にも対応しなければいけないということは相当な負担です。
落札出来なくて良かったとは思っていないが、落札できていたら、その後の私たちの暮らしには何が待っていたのだろうかと思うと、少し恐怖を感じます。
どんな人生を送ることになるのか、競売で土地を購入し幸せだと感じているのか、後悔しているのか・・・。今となっては私も旦那も分かりません。

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